開催申し込みのご案内
この度は桂文我のおやこ寄席に興味をお持ちいただきありがとうございます。
おやこ寄席を主催してみようか、と思っていただいた方は、まず下記のおやこ寄席開催の条件をお読みいただき、おやこ寄席の趣旨をご理解ご納得していただきますようお願い致します。
「おやこ寄席」開催の条件について
これまで全国の市町村・団体・学校などから「おやこ寄席」の開催依頼をいただいてきましたが、その中には「とにかく、何でもいいから子どもに落語を聞かせてやりたい」という方がとても多くいらっしゃいました。
たくさんの開催依頼をいただけることはとてもありがたいのですが、「より良い環境で子供さんたちに落語に接してもらいたい」という信念で活動を続けている私としましては、残念ながらどんな状況でも「おやこ寄席」の上演をお引き受けするという訳にはまいりません。
落語だけで約1時間30分のあいだ親子で大笑い、という状況を作るために主催者や企画スタッフの皆様に了承していただかななければならない事がいくつかあります。
開催依頼の中で一番質問が多いのは「予算」のことです。これは会場の大きさや、団体や学校の規模にもよりますから、その時々で変わります。それよりも私は「場の雰囲気」を重視していますので、子ども達に落語の面白さが伝わる状況が実現できない場所では、「おやこ寄席」の上演をお断りさせていただいています。
「とにかく、何でもいいから子どもに落語を聞かせてやりたい」という考えだけで開催を考えておられる方には、「おやこ寄席」の開催はほぼ不可能だ、と思っていただいても間違いはないと思います。
そこで私が考えている「おやこ寄席」の上演に於ける最低の条件を箇条書きにいたします。
(1)一回の公演入場者数は、最大300人以内。それ以上の人数の場合は、数回に分けて、公演回数を増やすことで対処します。
※楽しい空気を舞台から送るには客席の人数にも限度があり、親子が集まる場合、高座から目の行き届く人数であることが望ましいからです。
(2)客席前方にお子さんたちが座り、後方に大人が座るように席割りをします。親子が並んで座ることは避けます。
※普通なら親子が並んで座ってもらうのでしょうが、「おやこ寄席」ではあえて親子別々に座ってもらいます。親子が並んで座ると、つい親が子どもに「面白い?」「わかった?」と声をかけることが多く、これに返事をするだけで子どもの想像の世界は壊れてしまいます。また、子どもにかける声が私語になってしまい、落語の邪魔にもなります。
(3)舞台の後ろや横に屏風を立て、落語家の姿が膝の上までキチンと見えるように舞台の高さや照明の明るさなどに気を配ります。落語家の声が客席の後ろまで伝わるように、マイクチェックも入念に行ないます。
※落語を楽しんでもらう時、落語家の動作が見えなかったり、落語家の声が聞こえないのは最悪です。そして、高座も程良い豪華さが必要で、後ろや横に屏風を立て、舞台には毛氈を敷き、子ども達に「これから落語を聞くんだ」という気持ちになってもらえるような雰囲気作りは欠かせないことです。
(4)お囃子は生に限ります。カセットテープやCDなどは一切使いません。
※大人用の落語会でも同じことが言えると思いますが、高座から生き生きした空気を送る場合、カセットやCDなどのお囃子では本当の雰囲気は出てきません。まして、上方落語では落語の中にお囃子が入るネタも多いので、ライブの良さを味わってもらうためには、生のお囃子という条件を欠かせないのです。
(5)原則として上演中のマスコミ関係者の取材活動はお断りしています。
※「おやこ寄席」は、子ども達に落語の楽しさを伝えることが目的ですから、子ども達の想像を妨げるような行動をする可能性のあるマスコミの方は取材も含めてお断りすることにしています。テレビカメラが会場に設置されているだけで、子ども達の興味はそちらに向いてしまいますし、カメラマンが動き廻ると気が散ってしまいます。カメラのフラッシュが光るだけでも、子ども達の想像の世界は台無しになってしまうのです。
但し、事前に相談した上で、会場の雰囲気を壊さないというこちらの条件を納得していただいた場合の取材は喜んでお引き受けします。
(6)入場できる子どもは小学生以上です。
※未就学児の「おやこ寄席」への入場は例外なくおことわりしています。公演会場では1時間〜1時間30分休憩なしでじっと自分の席にいなければならず、また子どもと大人は離れて座るのでつらくなっても大人に助けを求めることができません。自由に席を立てないという経験に乏しい未就学児にとって長時間じっとしていることはつらいことだと思います。
(7)体育館での上演は不可能とお考え下さい。
※学校からの依頼で一番頭を悩ますのが「体育館での上演」です。体育館は元来運動をするために建てられた建物だけに、照明や音響も十分ではない所が多く、落語を聞く会場に相応しいとは思えません。図書室や視聴覚教室、ランチルームなどを落語会場にして上演する方が良いと思います。
以上、私の考えを述べさせていただきました。たくさんの条件をお読みいただきありがとうございます。
堅苦しい条件と思われる方も多いと思いますが、20年近く「おやこ寄席」を上演してきた結果、より多く子ども達に落語の面白さを伝えるには「ハードを整える」が欠かせないことを痛感したからです。
現にこれらの条件をクリアしていただけた場所での失敗はありませんでした。
これらの条件を考慮していただいた上で、「おやこ寄席」の開催をご依頼下されば幸いです。どうぞ、宜しくお願い致します。
四代目
桂文我
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